今回の記事は、徳島県美馬市脇町にある「うだつの町並み」について書いていきます。
徳島にお住まいの方なら、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
徳島以外にお住まいの方は、知らない方が多いかと思います。涙
そんな「うだつの町並み」ですが、実はすごいんです。
何がすごいのかというと、とにかく県や国から歴史的・文化的に価値があるということでいろいろと選定されているのです。
それも1つや2つではなく。笑
私も全然しりませんでした。。汗
ということで、「うだつの町並み」の特徴なども含めて書いていきたいと思います。
それでは早速見ていきましょう♪
所在地
徳島県美馬市脇町大字脇町
アクセス
■車
高松市内から約1時間20分、徳島市内から約1時間
徳島市内から徳島自動車道(高速道路)利用で約40分
脇町インターチェンジから約10分
■JR
徳島駅〜穴吹駅まで約1時間10分
穴吹駅からタクシーで約10分
概要
「うだつの町並み」というのは通称の呼び名であって、本当は脇町南町という地区になります。
ちなみに脇町南町は、徳島県徳島市から吉野川に沿った上流約40キロメートル上流の山あいの位置にある美馬市内の地区のことになります。
この町並みの大きな特徴である、「うだつ」から「うだつの町並み」になったことが分かりますよね♪
歴史
お隣り香川県との商いにおいて、立地的にも重要な役割を果たしていたようですね。
駅や道路など交通の利便性がもたらす経済への影響は今でもさほど変わらないですものね。
江戸時代〜明治時代中期というとたかだか150年〜200年程度ですが、この時代、脇町が徳島の第3の都市として栄えてたのかと思うと時代の変化は凄まじいなあと思います。
また、阿波藍づくりと言えば徳島県藍住町のイメージが強いですが、脇町でも奨励されていたんですね!驚
しかも脇町が集散地となっていたとは!
藍染めについては、またいつか記事にしたいなあと思っています♪
特徴
この町のようすを見ると、タイムスリップした感がありますよね!
こうやって430mもの長さの道路を挟んで、何十棟もの建物が建ち並んだ景色は単に時間が経てば出来上がるはずもなく、人々の生活からなる文化や歴史がもたらした産物であることが理解できます♪
保存に至る経緯
昭和後期になって、全国各地で古い伝統やその姿を見直す動きが活発化していったんですね〜。これは高度経済成長期を経たからこその動きかもしれませんよね。
文化庁による働き掛けもあるようですが、未来を見ていくには必ず過去を振り返る時間が必要なんだろうなあと個人的には思いました♪
うだつとは
ところで「うだつの町並み」のうだつって何なんか皆さんご存知ですか。
これまでの説明にも、「うだつ」という単語が所々出てきていますよね。
先に説明してよと思われた方もいるかもしれませんね。。汗
「うだつ」とは、隣家との境界に取り付けられた土造りの防火壁のことを意味します。
写真にあるように軒と軒が接近していたため、火事の際に隣家から火が移らないように屋根の下に「うだつ」を建てる必要があったのでしょう。
この「うだつ」を造るには相当な費用がかかったそうで、裕福な家でなければ設けることができなかったそうです。
そして江戸時代からは装飾的な意味合いが強くなり、自分の財力を見せるためにこの「うだつ」を立派なものにしていったようです。
しかし、江戸中期以降はうだつの袖部分が独立し、写真にあるように装飾性を高めた袖うだつが発達していきました。
見栄を張ったり、財力を誇示したりと今も昔も変わらないものですね〜。
かつての豪商の方々もそうやって競い合って「うだつ」をつくっていたんですね!
ちなみに、この「うだつの町並み」は徳島県美馬市脇町以外にも、徳島県つるぎ町貞光や三好市池田町、岐阜県美濃市美濃町にも同じような特徴を見ることができますよ♪
うだつが上がらないの語源とは
先程、「うだつ」とは防火壁で、それが途中からは装飾的な意味合いが強くなり、財力の誇示の一つとして使われるようなったと説明したわけですが、実は、ここから「うだつが上がらない」という言葉ができているという説があります。
つまり、その「うだつ」を財力(富)の象徴と見立てたことから、出世できないことや、生活がよくならないことを、「うだつが上がらない」という言葉として使ったのが語源となっています。
また、もう一つ別の説もありまして、梁の上に立てて棟木(むなぎ)を支える短い柱のことを「うだつ」と言うそうで、この「うだつ」が棟木におさえられているように見えることから、頭が上がらない(出世できない)という説もあるそうです。
また他にも、家の棟上(むねあ)げをすることを「うだちが上がる」というそうで、そこから意味を成しているいう説もあるようです。
いずれも建物に関係するという点では共通しているので、大工などの職人さんから言われるようになった言葉の可能性が高そうですね♪
歴史的・文化的価値について
その建物や町がどのくらい歴史的に、そして文化的に価値があるのかというのは、人それぞれ考え方や思いなどにより差はあるかと思います。
個人の主観によって変わってきますよね。
そこで、その物差しの一つとして県や国によって選定されている項目の一覧を挙げて、客観的にみてどのようにみられているのかを調べてみました♪
選ばれすぎ。。笑
こんなにも価値のある町並みとして認められているんですね〜。
これは徳島にお住まいの方も知らない人がほとんどのはずです。笑
すごいですよね♪
重要伝統的建造物群保存地区は、先日記事にしました出羽島や東祖谷山村落合も選定されています。
今以上にもっと観光客で賑わっても良いと思うんですけどね♪
吉田家住宅 藍商佐直
これまで「うだつの町並み」について説明してきましたが、その町並みの中でも最大の敷地を誇るのが吉田家住宅になります。
こうやって映像で見ると、イメージが湧きやすいですね♪
■開館時間
午前9時~午後5時(最終入館午後4時30分)
■入場料
大人1人510円
小人1人250円
※15人以上で団体割引
■休館日
年末年始(12月27日~1月1日)
■所在地
美馬市脇町大字脇町53番地(徳島県美馬市脇町 うだつの町並み 内)
近くの施設、お店
美馬市観光交流センター
南棟(観光交流室) 観光情報の発信拠点
西棟(伝統文化体験施設) 藍染体験や和傘制作体験が可能
東棟(カフェスペース) 地場産の食材を活用した「食」の提供
詳しくはこちらをご覧下さい。
藍ランドうだつ
道の駅になります。
「脇町うだつの町並み」の風情を味わおうがコンセプトのようですよ♪
詳しくこちらをご覧下さい。
脇町劇場 オデオン座
1933(昭和8)年8月、藤中富三氏・清水太平氏らが中心となり、旧脇町に劇場を建設することを提唱し、当時、町内の事業家であった森幸雄氏や吉川長次氏に働きかけて協力を得て建設されたそうです。
映像でご覧のように、西洋モダン風の外観で、回り舞台、奈落などを備えた芝居小屋となります。
詳しくはこちらをご覧下さい。
デ・レイケの堰堤/デ・レイケ公園
明治政府の御雇い治水技術者であったオランダ人のヨハニス・デ・レイケが1884年(明治17年)に来日した際、吉野川を調査したときに、この大谷川をはじめとする徳島県北部の支川からの多大な土砂流出に驚き、その対策方法を指導したことによりできたものだそうです。
詳しくはこちらをご覧下さい。
竹人形の里 時代屋
ホームページはこちら。
茶里庵
食べログはこちら。
ひとり言
いかがだったでしょうか。
私も今回調べてみて驚いたのですが、「うだつの町並み」は想像以上に歴史的、文化的に価値のある町並みでした。
県や国よっていろいろと選定されていましたよね♪
「うだつ」のもともとの使用用途が時代とともに変化していき、それが一つの文化になったりと興味深いものがありました!
こう考えると、何がきっかけで今住んでいる町の様式が変わるか分からないですね。
そして、その町にある独特の文化や規則、制限が未来の町をつくる要素になっていることがよく分かりますね。
わずか数キロ、数百メートルの違いで文化って変わりますし。
面白いですよね♪
さて、この記事で初めて「うだつの町並み」を知ったという方が、実際に訪れみたいと思うきっかけになると嬉しいなあと思います。
また、知ってたけど行ったことがなかったという人も、この記事をきっかけに足を運んでみようかと思っていただけると嬉しく思います。
最後に、美馬市が「うだつの町並み」PR動画を作成されていたのでそれを紹介して締めとさせていただきます。
徳島に旅行や観光でお越しの際は、美馬市脇町の「うだつの町並み」も選択肢の一つに入れてみていただけると嬉しいです♪